念願の一軒家を購入しても、維持費が払えず生活が苦しくなる事態は絶対に避けたいですよね。
準備不足のままでは、急な設備の故障に対応できず、家の劣化が進んで資産価値まで下がってしまいます。
でも、安心してください。事前に「いつ・いくらかかるか」を正しく把握し、計画的に対策すれば、リスクは確実に回避できます。
実際に多くの人が、事前のシミュレーションでゆとりある暮らしを手に入れています。
この記事では、一軒家の維持費の目安と、将来後悔しないための賢い節約・積立術を解説します。お金の不安をなくしてマイホーム生活を楽しむために、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
- 一軒家の維持費は年間30〜50万円、月換算で約3〜4万円が目安
- 30年間の総額は1,000万円を超え、築10年・20年目に大きな出費がある
- 維持費には税金や保険だけでなく、将来の「修繕費」の積み立てが必須
- 高耐久な素材選びや定期的な点検で、生涯コストを数百万円単位で節約できる
目次
一軒家の維持費は年間いくら?平均相場と30年間の総額目安

夢のマイホームを手に入れた後、維持費がいくらかかるのか不安になりますよね。
目安となる金額と30年間の総額を知っておけば、将来のお金の不安は解消できます。
- 年間の維持費目安は「30万円〜50万円」程度
- 30年間の維持費総額シミュレーション:約1,000万円
- 住宅ローン以外にかかるランニングコストを忘れない
まずは金額の全体像から見ていきましょう。
年間の維持費目安は「30万円〜50万円」程度
一軒家を所有する場合、維持費として年間およそ30万円から50万円を見込んでおく必要があります。
これを1ヶ月あたりに換算すると、約2.5万円から4万円程度の出費となる計算です。
マンションのように毎月決まった額が引き落とされるわけではありませんが、固定資産税の支払いや将来のための修繕積立を含めると、この程度の金額が平均的な相場となります。
建物の大きさや立地によって金額は変動しますが、家計管理においては「月々3万円〜4万円」を住居費として別枠で考えておくのが安全です。
30年間の維持費総額シミュレーション:約1,000万円
長く住み続けることを前提とした場合、30年間にかかる維持費の総額は1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
その内訳としては、税金や保険料などの固定費に加え、外壁塗装や屋根の葺き替えといった大規模な修繕費用が大きな割合を占めます。
国土交通省が発行している資料「長持ち住宅の選び方・使い方ガイド」でも、住宅を長持ちさせるためには定期的な点検と補修が不可欠であり、それに伴う費用が発生することが示されています。
「1,000万円」と聞くと驚くかもしれませんが、これは一度に請求されるわけではありません。
30年という長い期間の中で分散して発生する費用ですので、計画的に準備さえしておけば恐れる必要はない数字です。
住宅ローン以外にかかるランニングコストを忘れない
マイホーム購入時は住宅ローンの返済額ばかりに目が行きがちですが、維持費というランニングコストを忘れてはいけません。
毎月のローン返済が10万円だとしても、そこに維持費として3万円〜4万円が実質的に加算されるイメージを持つことが大切です。
ギリギリの返済計画を立ててしまうと、固定資産税の通知が来たときや給湯器が壊れたときに家計が破綻しかねません。
ローン返済額プラスアルファの余裕を持った資金計画を立てることが、安心して暮らすための鉄則です。
一軒家の維持費には何が含まれる?税金・保険・修繕費

維持費と一言で言っても、具体的に何にどれくらいのお金がかかるのでしょうか。
支払いのタイミングや金額の内訳を知ることで、家計の管理がぐっと楽になります。
- 【税金】固定資産税・都市計画税(毎年かかる)
- 【保険】火災保険・地震保険(数年ごとに更新)
- 【修繕費】外壁・屋根・設備のメンテナンス代(積み立て必須)
3つの主要な内訳を詳しく解説します。
【税金】固定資産税・都市計画税(毎年かかる)
一軒家を所有している限り、毎年必ず支払い義務が発生するのが「固定資産税」と「都市計画税」です。
これらの税金は、毎年4月〜6月頃に自治体から納税通知書が届き、一括または年4回の分割で支払います。
一般的な目安としては、年間で10万円〜15万円程度になることが多いですが、土地の評価額や建物の構造によって異なります。
新築の場合は当初数年間の軽減措置が適用されることもありますが、その期間が終わると税額が上がるため注意が必要です。
詳しい税率や軽減措置については、総務省の「固定資産税」に関する解説ページで仕組みを確認しておくと安心です。
【保険】火災保険・地震保険(数年ごとに更新)
万が一の災害に備えるための火災保険や地震保険も、重要な維持費の一つです。
火災保険は最長5年※(以前は10年でしたが短縮されました)、地震保険は最長5年ごとの契約更新が一般的で、更新のたびにまとまった保険料を支払います。
※参考)火災保険参考純率改定の案内
建物の構造や補償内容にもよりますが、5年ごとの更新で15万円〜30万円程度、年換算すると3万円〜6万円ほどが目安です。
近年は自然災害が増加しており、保険料も値上がり傾向にあるため、更新のタイミングで家計への影響を確認しておきましょう。
【修繕費】外壁・屋根・設備のメンテナンス代(積み立て必須)
維持費の中で最も金額が大きく、かつ自分自身で管理しなければならないのが「修繕費」です。
これは毎月の請求書としては届きませんが、将来必ず発生する外壁塗装や屋根の修理、給湯器交換などのために、自主的に積み立てておくべきお金です。
多くの専門家は、この修繕費として年間20万円〜30万円程度の確保を推奨しています。
これを怠ると、いざ雨漏りなどのトラブルが起きたときに数百万円単位の費用が捻出できず、家を直せないという最悪の事態に陥ってしまいます。
築年数ごとの修繕費シミュレーション!10年目・20年目に必要な金額

家は建てた瞬間から劣化が始まりますが、いつどんな修理が必要になるのでしょうか。
10年後、20年後に訪れる大きな出費のタイミングを予測し、心の準備をしておきましょう。
- 築10年目:防蟻処理や給湯器交換で「約100万円」が必要?
- 築15〜20年目:外壁・屋根塗装は「約150万円」の大きな出費
- 築20年以降:水回り(キッチン・浴室)の大規模リフォーム
それぞれの時期にかかる費用の目安を見ていきます。
築10年目:防蟻処理や給湯器交換で「約100万円」が必要?
新築から10年が経過すると、まず最初に設備の不調が出始めます。
特に注意したいのが、お湯を作る給湯器や食洗機、トイレのウォシュレットなどの故障です。
これらは突然壊れることが多く、交換費用として数十万円が必要になります。
また、木造住宅の大敵であるシロアリを防ぐための「防蟻処理」も、一般的に5年を目途に再施工が推奨されています(参考:シロアリ防除について | 公益社団法人 日本しろあり対策協会 )。
住宅メーカーの長期保証を延長するために、これらのメンテナンス工事が必須となるケースも多く、合計すると10年目で約50万円〜100万円近い出費が発生する可能性があります。
築15〜20年目:外壁・屋根塗装は「約150万円」の大きな出費
一軒家の維持費において最大の山場となるのが、築15年から20年頃です。この時期には、紫外線や雨風から家を守っている外壁や屋根の塗装メンテナンスが必須となります。
足場を組んで行う大掛かりな工事になるため、費用は一般的に100万円〜150万円、屋根の劣化が進んでいる場合はそれ以上かかることもあります。
「まだ見た目は綺麗だから」と放置すると、内部に水が浸入して構造体が腐り、修理費用が倍以上に跳ね上がるリスクがあるため、この時期のメンテナンスは絶対に避けて通れません。
築20年以降:水回り(キッチン・浴室)の大規模リフォーム
築20年を超えると、キッチン、お風呂、洗面台といった水回り設備が寿命を迎えます。
蛇口からの水漏れや換気扇の故障だけでなく、汚れが落ちにくくなったり、配管が劣化したりするため、交換リフォームを検討する時期に入ります。
水回りのリフォームは、グレードにもよりますが、キッチン交換で50万円〜100万円、浴室交換で80万円〜120万円ほどが相場です。
さらに、フローリングの張り替えやクロスの張り替えなども必要になるため、この時期に向けてまとまった資金計画が重要になります。
「マイホームの維持費」で後悔するよくある3つのパターン

維持費のことを甘く見ていたために、せっかくのマイホーム生活が辛いものになってしまった事例は少なくありません。
先人たちがどんな失敗をしたのかを知り、同じ轍を踏まないようにしましょう。
- 修繕積立金を全く用意していなかった
- 点検をサボって雨漏りなどの大被害に発展した
- 初期費用を抑えすぎてメンテナンス頻度の高い素材を選んだ
それぞれの後悔事例を詳しく見ていきます。
修繕積立金を全く用意していなかった
最も多い後悔が、「マンションのように強制的な積立がないため、貯金をしていなかった」というケースです。
教育費や日々の生活費にお金を使い込んでしまい、いざ築15年目で「外壁塗装に150万円必要です」と言われた時に、手元にお金がないという事態です。
この場合、教育ローンと重なって新たなリフォームローンを組むことができず、必要な修理を諦めざるを得なくなり、結果として家が急速にボロボロになっていくという悪循環に陥ってしまいます。
点検をサボって雨漏りなどの大被害に発展した
「ちょっと壁にヒビが入っているけど大丈夫だろう」と自己判断で放置した結果、雨漏りが発生してしまったケースです。
雨漏りは天井にシミができるだけでなく、壁の中の柱や断熱材を腐らせ、シロアリを呼び寄せる原因にもなります。
早期発見なら数万円の補修で済んだはずが、発見が遅れたために構造部分からの修理が必要となり、数百万円の請求になってしまったという後悔の声は後を絶ちません。
初期費用を抑えすぎてメンテナンス頻度の高い素材を選んだ
家を建てる際、建築費を少しでも安くしようと、耐久性の低い外壁材や屋根材を選んでしまった失敗例です。
初期費用は安く済みましたが、結果として10年ごとに高額な塗装メンテナンスが必要になり、トータルの維持費が高くついてしまったというパターンです。
逆に、初期費用が少し高くても「メンテナンスフリー」や「高耐久」の素材(例えばタイル外壁や高耐久シーリングなど)を選んでおけば、30年間の維持費を大幅に削減できた可能性があります。
維持費の負担を減らして後悔しないための対策と節約術

維持費は必ずかかるものですが、工夫次第で負担を減らし、賢く準備することは可能です。
今日から始められる具体的な対策を3つ紹介します。
- 毎月3万円の「修繕積立」を家計のルールにする
- 新築・リフォーム時は「高耐久・メンテナンスフリー」の素材を選ぶ
- 自治体の補助金や火災保険を賢く活用して出費を抑える
安心して暮らすためのアクションプランを確認しましょう。
毎月3万円の「修繕積立」を家計のルールにする
一軒家の維持費対策として最強の方法は、専用の口座を作って毎月自動で積み立てることです。目安は月々3万円。
これを「最初からなかったお金」として生活費とは別に管理しておけば、10年で360万円、20年で720万円が貯まります。
これだけの資金があれば、給湯器の故障も、15年目の外壁塗装も、20年目の水回りリフォームも、家計を圧迫することなく余裕を持って支払うことができます。
新築・リフォーム時は「高耐久・メンテナンスフリー」の素材を選ぶ
これから家を建てる人や、リフォームを予定している人は、目先の安さよりも「耐久年数」を重視して素材を選びましょう。
例えば、一般的なスレート屋根よりも耐久性の高いガルバリウム鋼板や陶器瓦を選んだり、外壁の目地(コーキング)を高耐久なものにするだけで、将来のメンテナンス回数を減らすことができます。
1回のメンテナンス費用が100万円浮けば、それは大きな節約になります。イニシャルコストとランニングコストをトータルで考える視点が大切です。
自治体の補助金や火災保険を賢く活用して出費を抑える
リフォームや修繕を行う際は、自治体の補助金制度が使えないか必ず確認しましょう。
「省エネリフォーム」や「耐震改修」などの名目で、工事費の一部が補助される場合があります。
また、台風や大雪などの自然災害で屋根や雨樋が破損した場合は、火災保険を使って修理費用をカバーできる可能性があります。
「経年劣化」は対象外ですが、「災害による損害」であれば保険金が下りるケースがあるため、自己負担を減らすためにも保険の内容をよく理解しておきましょう。
まとめ:一軒家の維持費は「月3万円」の積み立てで攻略できる
一軒家の維持費について、年間の目安から30年間の総額、そして後悔しないための対策について解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 年間維持費の目安:毎年30〜50万円(月換算で約3〜4万円)が必要。
- 30年間の総額:税金・保険・修繕費を合わせると約1,000万円かかる。
- 修繕の山場:築10年目で給湯器や防蟻、築15〜20年目で外壁・屋根塗装の大きな出費がある。
- 後悔しない対策:住宅ローンとは別に「月3万円」の修繕積立を自動化する。
「家を買ったら終わり」ではなく、買った後からがスタートです。
維持費は決して安い金額ではありませんが、事前に「いつ・いくら」かかるかを知っていれば、恐れることはありません。
まずは今の家計を見直し、将来の修繕に備えて**「毎月3万円」**の積み立てを始めることからスタートしてみてください。
その一歩が、10年後、20年後の安心した暮らしを守ってくれるはずです。
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